二浪之愚記

二浪ニート→三浪警備員→四浪期間工(いまここ)

21歳ニート、派遣社員として工場勤務に就くも仕事内容が嫌すぎて契約更新拒否を決意

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かねてより登録していた派遣会社から連絡があった。私が志願していた仕事の採用結果を伝えに来たのである。
面接の翌日には採用結果を報告すると聞いていたのだが、これは面接が終わってから音沙汰無しのまま五日ほど経過した頃の話である。


「残念ですが派遣先の方が工場未経者は採用できないとおっしゃっていますので、今回は不採用という形になります」
と担当者が宣う。それ派遣法違反ですよね、なんてことを言う気にもなれず、私は「承知しました」とだけ答える。
もはやこの会社に対する信頼は地の底へ落ちているので、採用が決まらなければこことは縁を切ろうと決めていた。どうせこれから紹介される仕事も怪しい案件に違いが無いのだ。

「同様の収入が見込める仕事がいくつかあるのですが、明日面接に行けますか」
「いや明日は厳しいですね。やはり自分で仕事を探そうと思います。短い間ですがお世話になりました」
という風なやり取りをして私は無理矢理電話を切った。

ところが数時間後また件の派遣会社から電話が掛かってくる。しつこいなと思いつつ耳を傾ける。
「先ほど不採用とお知らせしたお仕事ですが、急遽明後日から現場に来て欲しいということらしいです。大丈夫でしょうか」
正直な話、何言ってんだコイツと思った。この数時間の間で何があったのか確実なことは分からないが、派遣社員の登録を解除されるくらいならゴリ押しで希望の仕事にねじ込こんでしまえと考えたのだろう。それが出来るなら最初からそうしてくれという感じである。
この仕事はそれなりの手取りが期待できる案件ではあったので、私はやや不機嫌になりつつも「分かりました。そちらで働かせていただけるのであればよろしくお願いします」と返事した。かくして私は工場での派遣労働に内定を得たのである。

しかし実際に現場入りすると、これが想像以上に厄介な仕事だということが明らかとなった。


当現場は二十四時間稼働の二交代制で、一日の拘束時間は12時間(そのうち1時間半は休憩)である。従業員は四日夜勤をして二日休み、四日昼勤をして二日休みのサイクルで働く。
この現場には製造・塗装・検査・梱包など様々な業務があるようだが、新人の私がやらされている仕事は以下の単純作業である。
まず何に使われるのかも分からぬ黒いプラスチック製の部品を機械にセットし、蓋を閉める。数十秒待つとブザーが鳴って機械の蓋が開く。すると先ほどの黒い部品が銀メッキを帯びて現れる。それを取り出して塗装にムラが無いかを確認し、箱に梱包する。
立ちっぱなしで10時間程これを繰り返すのである。こんなことを続けていたら頭がおかしくなりそうだ。

 

とはいえ、工場での単純作業が精神的にも体力的にも厳しいことは想定内であった。労働時間が長いことも了解した上でこの仕事を引き受けたのだから、今さら文句を言うつもりもない。
だが提示された条件と違うというか、これは先に説明しておくべきだっただろうと言いたくなるようなことも結構ある。

まず従業員の約半分がベトナム人であるということ。それ自体は問題ないのだが、私に業務内容を説明するように言われている者は単語でしか日本語会話が出来ない。私が仕事について教えを乞うても作業工程を説明することが出来ず困惑している様子である。ベテランや責任者クラスの連中はみな日本人のようだが、この人らはベトナム人派遣労働者に新人指導を丸投げしている。どうしてこれほど非効率なやり方をするのか。

もう一つは業務終了時刻になってから日報を書かされるということ。日報には生産数や不良品数を計算して記さなければならない。慣れないうちはこれに時間を取られてなかなか帰ることが出来ない。ちなみにこの間は給料が発生していないらしい。

はっきり言ってこれでは給料に見合わない。三月末に労働契約の更新日があるのだが、私は更新を拒否しようと出勤初日に決めてしまった。それまでは我慢してこの仕事に耐えるしかない。

 

やはり私は長く仕事を続けていく根性を持ち合わせていないのだ。受験から逃げ続けた男は仕事からも逃げ続ける。

 

21歳にもなって未だ実家暮らし。掃除も洗濯も食事も親に頼り、そのくせ家庭に納める額は毎月3万円のみ。
これほど恵まれた環境にありながら低学歴で何の技能も無く、その辺の中学生でも出来る作業でしか金を稼ぐことが出来ない。

やはりこうして惨めな人生を歩むことになったのも全て私自身の責任だ。努力する為の環境は整っていた。私は自らの意思によって自堕落な生き方を選択し、その結果としてかくの如き不遇な現状に甘んじているのだ。
こうなった以上は資本主義社会の敗北者としての自覚を持って謙虚に生きてゆくしかないだろう。私はきっと一生このままだ。冷静に考えて此処から這い上がれるような人間はそもそも此処まで堕ちてこない。

今後は仕事を転々と変えるのは仕方がないことだと諦めて、貯蓄を増やすことだけ考えていくつもりである。金が有ればメンタルに余裕が生まれるはずだ。実家に甘えていられる今がラストチャンスなのだ。ここで時間と精神的余裕を作って、それからどういう人生を歩むか考え直そうと思う。